修士課程のメモ帳

研究職と開発職の隙間に落っこちた新卒のお話

今日泊まっていきなよ。

最近彼氏と別れたらしい女友達に「今日泊まっていきなよ」って言われた。

 

 

4勤2休のサイクルで働いてるため土日休みが2ヶ月に1度くらいでしか巡って来ない中、久々の土日休みかつ翌月曜も夜勤のため実質2日半の休日での出来事だった。土曜日に千葉で学部の友人とプチ同窓会的な飲み会をして、日曜は東京で浪人時代の女友達と昼から遊んで、夜行バスで帰る予定だった。

 

実際予定通りに行程は進み、上野動物園でパンダとか見たり、浅草寺で引いたおみくじは救いようが無いほどのことが書かれた凶だったり、隅田川沿いでスカイツリーを眺めながら野生生物を観察したり、月島でもんじゃを食べて軽く飲んだりした。

 

 

同い年で1年浪人して1年留年して修士課程を修了し、26歳にもなってようやく新社会人の仲間入りした境遇を共有できる唯一と言っていい程の友達だ。浪人してた時はみんなで勉強時間を報告し合い競い合った仲で、大学入ってから一旦疎遠になったけど、たまたまおれがモチベーションを探しに過去に戻ったらそこにはまだ彼女がいて、去年から久しぶりに連絡を取り合うようになった人である。

文系理系の違いはあれど、お互い波のある学生時代を経験した間柄だけあって、社会人になってからの近況とか愚痴とかお喋りはそれなりに捗った。

 

 

懐かしい学友に会えた楽しい関東遠征との終わりを告げるため、バスの発着場に向かう途中冒頭の台詞を言われた。少し恥じらいを帯びた、期待を寄せた台詞だった。彼女なりの精一杯の誘いだったんだと後になってから思った。

 

内心動揺したし顔にも出てたかもしれないが、おれは冗談っぽく「何誘ってんだよー」と軽くあしらってお誘いを断った。彼氏と別れて可哀想だと思ったし、女の子の方から誘ってくれたことなんて今まで1度もなかったし、ましてやおれには不釣り合いなくらい美人だったけど断った。

 

そんな簡単に抱けるくらい彼女のことを易く見られなかった。ここで欲に負けたらそれこそ彼女を傷付けると瞬間的に察した。彼女もめげずに2,3回誘ってくれたけど、やはり断った。

 

 

 

それから夜勤の間四日四晩、これで良かったのかと、あの夜の出来事が頭を回り続けている。いっそ夜行バスをキャンセルして抱いて寝て、翌日新幹線で帰った方がお互い欲は満たされ幸せだったのかなと。それともやはり抱いていたら傷付いてしまってたのかなと。そもそも彼女ならもっといい人掴まえられるのに、なんでおれだったのかな。寂しかった丁度その時おれが居合わせてたからなのかな。それとも純粋におれと居れた時間が楽しくて良かったのかな。

 

色んな思考がふわふわと巡りながら出した結論は、結局あの夜はあれで良くて、次も機会を誘われたらやっぱり断って、自分を大切にして欲しいことを伝えなきゃなというところで落ち着きつつある。

 

結婚とか出産とか限られた時間の中で、最善の人生を選択していかなきゃいけない大人ってやっぱり難しい。

 

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今週のお題「#平成最後の夏」