修士課程のメモ帳

研究職と開発職の隙間に落っこちた新卒のお話

技術者として、社会人として、なりたい姿と現実。

「技術者として自分はどんな技術者になりたいか、目標を持って仕事しよう。」

 

大学の技術者倫理の講義で聞くようなことをリーダーが話した。

 

「開発者として他社で活躍出来るような人材になりたいとかでもいい。実際、それを目標に成長して最後は転職してもおれはええと思ってる。」

 

愛社精神みたいな精神論とは無縁な発言に内心びっくりした。そんなんありかよ。ありだろうけど。

ところで自分がなりたい技術者像ってなんなんだろうと考えた時、二つの共存しうる理想像が思い浮かんだ。

一つは化学の知識を持って自在に材料をコントロール出来て開発出来る技術者。

一つは本業の技術+副業として簡単だけど副業故に需要を喰い合わない技術を持った技術者。具体的には業務効率向上やシステム構築を目的に簡単なプログラミングが出来たり、大スケールな実験の準備のために重機を動かせたり、活動拠点の幅を広げられる言語を身に付けていたり。

 

今の拠点に来て四ヶ月、社内ルールや技術や方法を教えてくれる指導員が異動や出張いなくなって一ヶ月が経って、思い詰め張り詰めながら仕事を何とかやってきたけれど、振り返ると理想像なんて考える暇もなく働いてたんだなあと思い知らされた。

そして技術者としてではなく社会人としての理想が、新参者を手厚くケア出来る人でありたいという姿からすると、今目の前にある自分のことで精一杯で社内ルールや知識のある転入者はおろか、新人すら満足に見られない環境に自分のなりたい姿が有り得るのかなと考えてしまった。

「指導員に聞いてみたら?」なんて柔らかく簡単に言われたけど、異動や出張で指導員が不在になった新人の自分には重たい発言で、この環境に身を置き続けることは自分の為に良いことなのかと頭を悩まし転職サイトを覗いてみるきっかけになった一年目の冬の一日でした。