Amazonプライムデーだった丁度その日有名反応を仕込みたくて、でも文献読んでも古くて効率が悪そう(大体過激な条件下で低収率だったりする)に感じられ苦闘していました。とは言え流石に最近の全合成なんかで使われる何十個もの反応の中から目的とする有名反応を調べ出すのは難しいかつ面倒くさい。
ということで、よく使われる官能基変換やカップリングの基本レシピをすぐ調べられるように本を買いました。大学内に書店がないのでAmazonに頼る他なかった。前の大学ならあったのに。
これと
- 作者: L.F.フィーザー,K.L.ウィリアムソン,Louis F. Fieser,Kenneth L. Williamson,磯部稔,市川善康,鈴木喜隆,中村英士,家永和治,今井邦雄,中塚進一
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 2000/03/01
- メディア: 単行本
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これ。
Fieser-Williamsonは中古で送料込み¥2,000割ってました!やったね!\(^o^)/
- 作者: Jie Jack Li,Chris Limberakis,Derek A. Pflum,上村明男
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これ買おうかと思ってましたが後輩が既に持っていたのと、割と薄い本で反応に対しreferenceも僕が探してたものは1報だけだったので辞めました。
パラパラっと読んだ感想ですが、2冊とも合成化学実験でよく使う反応のコツや注意点をまとめてる感じだと思っていたのですが、一目見て性格が違うことを感じました。
僕が求めていたのは『若手有機合成科学者のためのラボガイド』の方で、Fieser-Williamsonの方はどちらかと言うと有機合成化学実験をする上での心得や分析手法、解析知識の方がメインで、反応例は少なかったです。ただ、紹介されている反応はどちらも実験を行ううえで十分詳細に操作が書かれているので非常に良かったです。
特に『若手有機合成科学者のためのラボガイド』は「有機化学おもしろそー!」って思っている1~3回生あたりが読むと、非常に知的好奇心が満たされ有機合成に前向きに取り組めるようになると思う。僕は本を捲って構成を見た時、正直もっと早く出会いたかったなと思いました。
なお。
なかなか良さそうな本を得たけど遷移金属触媒を用いたC-Cカップリングをもうちょい扱って欲しかったぞ
— Daiki@ブログ垢 (@daiki0212photo) 2017年7月15日
例えばPdを用いた鈴木‐宮浦や薗頭などは取り扱われていません。まあこの辺はまだ歴史が浅いためか普通に文献引く方がいいのかもしれませんね。あとPdをはじめとする遷移金属の後処理めんどくさくてグリーンケミストリーじゃない。まあ前書きでどっちかの本がグリーンケミストリーガン無視宣言しときながら、6価Crを使うJone's reactionやPCC酸化、PDC酸化を取り扱ってなかった点は面白かったです笑
ということで、学生向け専門書を2冊買いましたが目的の反応の基本レシピは載っておらず、「さあどうしよう…!?」ってなっている僕でした!
■2018/02/05追記
若手研究者のための有機合成ラボガイドの方には遷移金属触媒を用いたC-Cカップリングのほかにも転移反応など、よくよく見るとメジャーな反応は一通り網羅されてました。ただ、有機合成定番レシピには載っているもののラボガイドの方には載ってない反応もいくつかありました…。