修士課程のメモ帳

研究職と開発職の隙間に落っこちた新卒のお話

間違った蔵王御釜の楽しみ方。

タイトルの通りです。

何でこうなったかって、考古学修士号の彼女が来たからです。

 

 

 

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昼前仙台駅にて待ち合わせて、

「今日どうしようかー。」

「仙台よく分かんないのでお任せします笑」

「仙台駅前って買い物する以外に大して面白いもんないんよねえ。仙台城跡で伊達政宗像見る?」

「それか今日よう晴れとうし、日本三景松島かなあって考えてたけど、蔵王御釜も見れそうでええかなあって電車で思ったんよねえ。」

「ただ御釜やと電車じゃ行かれへんから車借りなあかんねんけど…。」

「そういや蔵王活火山やからまあまあ面白い石転がっとったなあ。」

「で、どうしようか。」

「車借りよっか!」

 

てなわけで半年ぶりにハンドル握って、三週間ぶりに御釜に行ってきました。なお(以下略

 

 

仙台駅前で駅レンタカー借りて(よく祝日に当日飛び込みで借りれたな…)、そのまま仙台宮城ICから東北自動車道で村田ICへまでひとっ飛びし、宮城県道25号から12号でエコーライン入りした。

 

借りたホンダのフィットはハンドルでスピードメーターが全く見えず、とうもろこし畑や果樹園の間を流し、田んぼを見て素で、「畑だー」という間抜けな発言に訂正を入れ、山道を順調に登り、お昼ご飯も食べずに来た僕らは駒草平で玉こんにゃくを食べた。

 

展望台でひたすら滝を見て、石を見てテンションが上がった。

 

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なんか白いの写ってる…。

「左の滝が御釜の地下から漏れ出た水が集まって出来た滝で、右の滝が雪解け水がようやく外に出てきたのかなあ」

「あの谷はU字谷だね!」

「何で石がこんなに赤茶色なんだろう。」

「三価の酸化鉄由来の色じゃない。二価だと黒くなるし。」

「石の割れた断面って凄い綺麗な面出てくるよね、これって何でだろう。」

「含有鉱石の結晶面に依存してるんじゃない?そんな話聞いたことある!」

 

とか、地理と地学と化学の薄っぺらい知識を総動員して色々考察してみたり。こういう真面目に小さなことを考えてる瞬間って凄い楽しくて。こういうの学部の友達と彼女としかなかなか出来ないのが正直心苦しく思ったり。

 

 

玉こんにゃくを食べ、御釜のありそうな方を指した指にトンボが止まってはしゃいだ僕らは再び車に乗り込み、蔵王ハイラインに向かった。行楽日和だけあって凄い渋滞だったが、何だかんだ退屈することなく、尿意に負けることなくレストハウスまで辿り着くことが出来た。

 

あとは御釜を見て、石を見てひたすらはしゃいだら陽が暮れそうな時間になってた。

 

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とにかくガレ場ばかり歩きたくなる性分、気が付けば手取り助け合い、気が向けばすぐにしゃがみこんだり。御釜は、まあ雄大でそりゃ良いよね、くらいの流しっぷりが当たり前。火山岩や植生の無知を無知なりに楽しんでいた。

石を触って割ってみては、「(こちらの世界へ)ようこそ。」と言われ、すっかり頭のおかしい人に拍車がかかったようであった。

 

 

ひとしきり遊び終えた僕らは駅で車を返し、山道で遊び心でちょっと攻めた運転が怖かったことを吐露され、駅でお寿司を食べてお酒を飲んで解散した。

前回彼女から感じた人肌寂しさは今回感じられず、どこか安堵と満足感を従えられた一方で、僅かな後ろめたさと迷いも同時に背負い込むことになってしまった。その顛末は僕にはまだ分からない。